文章修行家さんに40のお題

文章修行家さんに40の短文描写お題

やってみたかったので挑戦、ジャンルはP4
65文字以内の短文で情景描写をする、というお題です
2008年の9月中旬くらいからはじめたらしい~2010年11月20日終了。
現在40/40個

文章修行家さんに40の短文描写お題


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01. 告白 <??の影> 【54文字】

我は汝、汝は、
そこから先は聞いてない。聞いてないことにする。
ただ金色の瞳が細められたのだけは、覚えてる。

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02. 嘘 <完二と尚紀> 【64文字】

机の上のコロッケを食べる幼馴染に俺が作ったんだとたった一言が言えない。
気持ち悪がられたくなくて思わず母親が作ったと嘘をついた。

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03. 卒業 <雪子> 【65文字】

王子様なんて必要なかった。
千枝に支えられて城から出る瞬間雪子は壊れた鳥かごから小鳥がはばたくのを脳裏に描いて泣きそうになった。

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04. 旅 <マーガレット> 【64文字】

一生はまるで旅のようだと連なる文章に目を走らせる。
この部屋へやってくる客人の旅の先に光あれ、思わずそう願った自分自身に驚いた。

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05. 学ぶ <クマ> 【64文字】

机の上に新聞を投げ出してクマは吐き気を覚えた。人が死にすぎてる。
テレビの中の世界の方が良かったと思ってすぐにその考えを捨てた。

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06. 電車 <主人公と足立> 【65文字】

電車は動き出した。
田舎へ左遷されるエリート刑事も、親の命令で都会から田舎へ行く青年も考えることは一緒である。
あーめんどくせえ。

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07. ペット <イザナミ> 【57文字】

手のひらの上で踊る、虚無と希望
絶望はリタイアさ、罰が必要だね
勝者は何がほしい?おしえてごらんよ
その身をもって

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08. 癖 <堂島と足立> 【63文字】

いらいらすると頭を掻く癖があるらしい、と本庁からの電話を受ける部下を見て気付く。
神経質なのかもしれないと堂島は顎に手をやった。

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09. おとな <直斗>【56文字】

小説の中みたいなかっこいい探偵になると言うと祖父は一瞬悲しげに目を伏せる。
その事を思い出して探偵は胸を押さえた。

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10. 食事 <主人公> 【60文字】

今も病室で眠る菜々子の事を思うと彼は口に含んだパンを吐き出してしまう。
嗚咽が響く静かな台所で彼は胃液をシンクに垂らす。

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11. 本 <花村と主人公> 【55文字】

布団をめくるなよ、なにがあってもだ
そう言って階下へ降りた相棒の真剣なまなざしに、俺は毛布をめくる手を強めた

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12. 夢 <イザナミ> 【63文字】

まぶたの裏に虹を見た、手を伸ばすと雨が腕を伝う。
手のひらの水滴に映る自分の瞳が赤くゆれた。もうすぐ彼がやってくる、そんな予感。

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13. 女と女 <綾音と結実> 【60文字】

廊下ですれ違うたびに対極にいるあの人を見ては自分を抑えてきた。
けれど覚えたばかりの嫉妬が彼女の心を悔しいと揺さぶる。

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14. 手紙 <足立> 【60文字】

インクの乾ききらない手紙を封筒に押し込む。
この手紙が届いたら自分が少しだけ許されるだろうかと考えて、自分自身に嘲笑した。

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15. 信仰 <生田目> 【64文字】

テレビに入れれば誰にも見つからない。自分にしかできないことだ。
救う、救う、鉛筆で書き連ねるうちに救う事が分からなくなった。

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16. 遊び <小夜子> 【62文字】

青年に跨りながら女は笑う。
嫌そうな顔をしたってきっとそのうち私から離れられなくなる、飽きるまで遊んであげるわと胸を押した。

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17. 初体験 <主人公> 【58文字】

肌がぴりぴりする。初めてした化粧に皮膚が勘弁してくれといっているのかもしれない。
笑い声の響く舞台へ今足を踏み出す。

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18. 仕事 <堂島> 【50文字】

煙草の煙を吐き出しながらさっき降ろしたばかりの遺体を見て脳裏に湧く考えに震える。
犯人は、別にいる。

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19. 化粧 <りせ> 【61文字】

艶やかなグロスをつけたりせちーは、カメラに向かってにっこり笑う。
心の中で媚を売って馬鹿みたいと吐き捨てるたびに胸が痛んだ。

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20. 怒り <12月> 【56文字】

落とそう。
そう言った花村の瞳はどこかで見たような
怒りと悲しみとだめだと叫ぶ
そうだその目は、鏡に映った俺の

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21. 神秘 <イゴール> 【63文字】

青く光る蝶がまぶたの裏から去っていくのを追いかけようとまぶたを開くと、扉を開けた青年が目に入る。
ようこそ、ベルベットルームへ。

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22. 噂 <花村> 【63文字】

ジュネスの息子、耳を突く小声に眩暈がする。
脳裏に苦味が湧き出て来てそんな自分に嫌気が差す、頭を振って俺は俺から逃げ出した。

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23. 彼と彼女 <主人公とクリスマス>【63文字】

青年が彼女に口付けた。
朱色に染まる頬を見つめて幸せそうに微笑んだ青年を世界はそっと祝う。
メリークリスマス、6股も大概にな。

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24. 悲しみ <尚紀> 【65文字】

腐ったシュークリームを片付けようとして落とした。
潰れたそれは不思議と残酷な気持ちにさせる、ただ涙が止まらないのだけがおかしい。

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25. 生 <足立> 【65文字】
引き金を引いて、頭の中からアイツを引きずり出す。禍々しく赤い姿。
ヒーローに憧れる気持ちを思い出す。こいつらをぶっ殺して俺を生かせ!

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26. 死 <主人公> 【61文字】
叔父さんが俺を呼んでいる。仲間たちのすすり泣きは止まない。
涙も流れない両目を瞬かせた。棺に納まった菜々子をはもう笑わない。

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27. 芝居 <イザナミ> 【61文字】

役者が全員来ないと芝居は始まらないよ、追い詰められた可愛い道化を見下ろしながら神は微笑んだ。
足音が聞こえる、幕が開くよ。

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28. 体 <直斗> 【57文字】

膨らんできた胸を忌々しげになでる。女、女、女!僕には必要ないんだ!
虚ろな瞳で鏡を見ると、そこには女が立っていた。

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29. 感謝 <ひさ乃> 【59文字】

死とも眠りともつかない寸前、あの人が迎えに来た。
穏やかな瞳と鷹揚な笑顔があの子に似ていたのね、と思う。
ああ、眠い。

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30. イベント <主人公と花村> 【63文字】

チョコレートを入れた紙袋を落として、誰が誰のかわからなくなった。
絶賛6股中の相棒を持った花村は、爆笑した。ロシアンルーレット!

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31. やわらかさ <あい> 【62文字】

アンタに撫でられると泣きたくなる。
頭上に広がる優しさにあいはもうどうしていいか分からなくなって弛緩する自分の眉をつり上げた。

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32. 痛み <足立> 【65文字】

笑いながらゆれる画面を見ていると急に胸が苦しくなった。
溢れ出そうな涙を押し戻すように顔を覆った。
寂しい、寂しいなんて認めない。

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33. 好き <堂島一家> 【61文字】

お兄ちゃんだいすき、とはもういえないね。菜々子はそう言って、横に立つ父親に笑った。
バージンロードの先で、新郎は待っている。

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34. 今昔(いまむかし) <主人公と塔コミュ> 【61文字】

レーゾンデートル、中学生は皆同じ事を考えるのかもしれない。
あの頃のノートに走り書きした言葉を思い出して笑ってしまった。

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35. 渇き <みつお> 【55文字】

誰も分かろうとしない。
眼下に転がる教師の死体を眺めて息をする、汗が額を伝って流れるのを感じながら彼は笑った。

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36. 浪漫 <男子> 【65文字】

めくれたスカートに男子は釘付けになった。こわばる者、目を見張る者、動じない者。
みな、思うことは同じだった。アリスじゃなければなあ。

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37. 季節 <主人公> 【65文字】

春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来た。
潜り抜けてきた死線の中を思い返して青年は電車に乗り込んで仲間に手を振った。春に会おう、と。

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38. 別れ <足立> 【64文字】

八十稲羽から送検されるとき、足立は見た。電気屋に置かれたテレビに、一瞬あの忌まわしい場所が映ったのを。そこにはもう、誰もいない。

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39. 欲 <菜々子> 【61文字】

菜々子は我慢しすぎだよ、という兄の言葉に、菜々子は首を振った。
そんなことない。お兄ちゃんがいるだけで、もう十分幸せなのだ。

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40. 贈り物 <秀> 【55文字】

今日いい点を取ったらお母さんは僕のためにケーキを作ってくれるかもしれない。
そう思いながら勉強するのも疲れた。

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